2025年3月16日日曜日

THE ALAN SMITHY BAND『晩餐館』@南堀江knave 2025.03.09(Sun)

 

アランスミシーバントの25周年企画『晩餐館』の第一夜の様子を書きました。
行けなかった方へもイベントの様子やバンドの魅力など伝わればと思います。



THE ALAN SMITHY BAND
PRESENTS
 『晩餐館』
2025.03.09(sun)
op:17:30/st18:00
@南堀江knave
出演)



※バンド名クリックしたらバンド公式の何かに飛んでいきます。








【三日月ジョン】



バンド編成は年一回ペースの彼らが何と今年二度目のライブ。
それだけでもすごいが今夜は2マンライブなので持ち時間は60分ある。
今日はいろんなすごいがありますね。


18時を10分過ぎたころに暗転し、SEとともにメンバーが登場。
ライブ開始1発目から「雨の貴婦人」
YouTubeにこの曲のリハーサルがあがっていた。まさか1曲目からとは。
再結成を知ってからずっとずっと聴いてみたいと思ってた曲。
いろんな思い出が蘇る。
もうここで帰ってもいいかもしれん。
周藤さんのギターソロのとき田中さんは、満員電車をやり過ごすサラリーマンのように無表情だった。

曲が終わり次の曲へといこうとする田中氏と美馬さんのタイミングが合わず急きょMCへ。
周藤さん「ミスが持ち味」とポジティブに返す。
昔から変わっていない、こういうところが好き。


カミソリのようなカッティングから「みじめな僕でも恋は素晴らしい」。カミソリのようなアコギのカッティングが、みじめな僕を表現しているのかそれとも恋の素晴らしさを表現しているのか。


2曲演奏が終わり周藤さんのお話。
隣で田中さんはいろはすの水を飲んでいる。メガネのズレをペットボトルの飲み口部分でなおす。そんな人初めて見た。ちょっと明日からやってみよう。
メガネと言えば、ステージ上の4人全員メガネをかけている。だいすけさんはサングラス。
ちなみに、田中さん以外は帽子を被っている。
周藤さん以外は襟付きシャツを着ている。


彼の話は続く。
去年、アランスミシーバンドの24周年記念のライブで出させてもらった。
そして今年、と一拍溜めてから
「そやろなと思ってたけど、25周年」
「25周年やらないんかなって思ってたけどキッチリやりましたね!」

ほとんどのお客さんが思ってたと思う。
今更ながら思うけど、干支2周で「Two Circles」、24周年って思いつくセンスがすごいですよね。

さて、三日月ジョンは今年がTwo Circles。
2001年結成で同年10月26日に難波ロケッツで初ライブだったとのこと。
聖地やん。
ラルクの初ライブもロケッツ。解散しちゃったけどSALという私の大好きなバンドもロケッツが初ライブ。ほんまにいいライブハウスでした。

その三日月ジョン、初ライブのときに対バンしたのがアランスミシーバンド。アランスミシーのギターのヨウジさんと運命の再会。周藤さんとヨウジさん、高校で同じクラス、大学も一緒で学部も専攻も全部一緒だったという。


田中さんからの裏話をひとつ。
田中さんは初ライブの直前に事故ったらしい。
ライブ当日は松葉杖をついてやってきて、ライブを完遂したそう。

「どうする?ボーカルやめとこか?」という話も出て、女性ボーカルになるかもしれないというところまであったよう。
でも田中さんが「いや、ぜひやらせてください」と懇願し、今の三日月ジョンへ繋がったよう。ここから24年。
無限にあるうちの繋がった1本の道をいまここでみんなで共有している。
来年三日月ジョン25周年の時はもうアランスミシーバントを呼ぶしかないですね。
2026年10月26日、ここ南堀江knaveで。


話がそれました。
周藤さんより、本日のテーマは「2001年、当時を思い出して欲しい」だそう。本日の登場時の音楽もそれをテーマにしていたよう。
2001年がテーマやから宇宙の旅の一万光年じゃなく結成1年目に出来たという「雨の貴婦人」を1曲目に持ってきたのかなと思ったり。



ライブ本編に戻る。
「妄想心中」のあとに演奏したのは知らない曲だった。
ライブのあとに聞くと「なぎさ通り商店街黄昏れ時」という曲名らしい(正式な送り仮名や漢字の使い方はわかりません)。
これは未発表曲だそう。当時から通ってるお客さんの話では、2、3回しかライブで聞いたことがないと。スローテンポでブルージーな曲、ジャズっぽいというのかな。私の音楽分類は「ロックかそうじゃないか」なのでどういうような曲っていうのが苦手です。
美馬さんもジャズっぽいと言うていたような気がする。


はしだのりひことクライマックスの「花嫁」のカバーをされる。
「フォークソングをハードにやる」っていうのが三日月ジョン結成の動機と言っていたな。Weezerのように。
ということで、はしだのりひことクライマックスの「花嫁」のカバーをされる。1971年のヒット曲。良いですね、シリーズ化してほしい。ロックな「神田川」とか「いちご白書をもう一度」とか聴いてみたい。


「セレナーデ」のあとに田中さんのエレキギターの値段を暴露する。ギターの価格が音を左右するんか判らんけど、安いギターでめちゃくちゃかっこいい音を出すのが最高のロックかもしれない。


「ディスコを踊りたいのでミラーボールを回してください」と客席の中央頭上のミラーボールが回り出す。
それぞれ様々なディスコを「君と僕との一万光年」で楽しむ。
だいすけさんの見せ場からの周藤さんのギターソロで、どうしても去年の周藤さんを重ねてしまう。オフィシャルのYouTubeも上がってるので下記もご覧いただければと思います。


三日月ジョン× THE ALAN SMITHY BAND『Two Circles』Vol.1
@南堀江knave 2024.01.21(sun)




「八月の雨」のとき田中さん、しっとり聞かせてる。今は3月やけどそんなこと忘れさせて切ない曲の世界に惹き込まれている。惹きつけられている隙をつき時間にすればコンマ数秒、鼻からずれ落ちそうなメガネをマイクの先の丸いところを使ってクイッとあげる。そして何もなかったかの表情で歌っている。


マイクを通さずに周藤さんが美馬さんに「あと2曲?」と聞いてる。
「わたしたちサイドステップを踊ります」
いよいよ「春霞」、クライマックス。
踊って欲しいけど「無理なら眼球だけでも」と意味のわからないことをおっしゃる。
試しにやってみたら気持ち悪くなりました。

美馬さんのシンバルから「春霞」へ。
「サイドステップは右から」ですよやっぱり。
この言葉を聞かないと三日月ジョンのライブに来た気がしない。
うしろのお客さんはわかんないですけどknave全体が24年分の思いを込めたサイドステップだったと思います。


何があってもどこ吹く風に吹かれて進んでいく彼らの哲学が詰まった「それがどうしたブルース」。この曲で今夜はお別れです。この曲にも当時いっぱい助けてもらいました。

さあ三日月ジョンのライブが終わるぞとなった最後の最後の締めに入ろうとしたときに、メンバー紹介を忘れていたことを気づいたようでアドリブでメンバー紹介を行い、なんとか形を整えつつ、走馬灯のような60分を終えました。



-setlist-
01.雨の貴婦人
02. みじめな僕でも恋は素晴らしい
03.妄想心中  
04.なぎさ通り商店街黄昏れ時
05.花嫁(カバー)
06.セレナーデ
07. 君と僕との一万光年
08. 八月の雨
09.春霞
10. それがどうしたブルース


慣れないサイドステップで翌朝きっちり筋肉痛になっていました。






【アランスミシーバンド】



三日月ジョンが終わり、後攻のアランスミシーバントの出番。

ギターのヨウジさんの転換中はストーンローゼスのTシャツ。あとで着替えるんでしょふふふ。



昨年の24周年企画『Two Circles』の時のようなオープニングの映像はなし。
SEもなく、ヨウジさんとドラムのもとひろさんが登場。ほらやっぱりヨウジさん悪魔の生け贄や。
昨年の24周年企画『Two Circles』、全4回の様子は以下のリンクに色々書いています。


さてタイミングを見てジャーンと一発シンバルを叩いてから二人でドンドコジャカジャンと鳴らす。さほど間を置かずに、ギターボーカルヒデさんと、ベースの髭さんが登場する。

映画好きの髭さんは、映画『シャイニング』のTシャツを着ている。
悪魔のいけにえとシャイニング…、そうきたか。
ヒデさんはジョジョの奇妙な冒険第6部「ストーンオーシャン」のTシャツを着ている。
こっちはそうきたか。
なら私も次回はそれ相応のTシャツでのぞむべきなのか。

いらんことを考えている間に後の二人もセッションに加わって、1曲目の「Grayout」へ。
マラソンコースのスタートラインに立ってはじまりを待っているような高まり、バネを目いっぱい押さえ付けていつでも飛び出せるような、今にもダイナマイトに火がついて爆発しそうな、そんな感じがする。


直訳したら「私の色」という「Color of Mine」。自分らしい色。Show your color。
ある程度の長い年月生きてきたら、ビエネッタみたいな薄い層が幾十にも堆積して自分が形成されているんやなと思う。たまには形成されたものを壊して自分の成長ために何か行動を起こさないとと思わせてくれる曲。歌詞の内容がそういうのかは判りませんけど。

経験してきたことは大事、でも惰性や習慣で物事を判断したり選択したりしたくない。
そんなこと考えてたらちょうどいい塩梅に次の曲は「Crush」。ようわかってはるわ。


3曲演奏後に最初のお話。
感謝の意を伝え、三日月ジョンとの馴れ初めを話される。

わたしは初めて知ったんですが三日月ジョンの初ライブの時は、三日月ジョンというバンド名じゃなく、“六角三角形”というバンド名だったそう。
表記は、漢字なのかアルファベットなのか、カタカナなのか平仮名なのか判らないので今は漢字で“六角三角形”とします。

以下、終演後のだいすけさんのお話。
初ライブをしようと難波ロケッツへ申し込んだ時はそのバンド名で提出。その後にバンド名は三日月ジョンになったが、修正しようとしても間に合わなくて、チケットとフライヤーの差し替えが、“六角三角形”のままになってしまった。初ライブ自体は“三日月ジョン”として出たそうです。その時のチケットとかあれば見てみたいし、初ライブで何を歌ったのか知りたい。


はい、話はアランスミシーバントへ戻ります。
当時ヨウジさんは「センスのないバンド名やな」と眺めていたそう。
で、リハーサルにやってきたら、二人が再開する。
それを真横で見ていたヒデさんに二人の感動が伝播し、次にやる「ムジナ」という曲ができた。
もし万が一、ヒデさんが二人の隣に居ずに、松葉杖をついた田中さんに大きく気を取られ二人の再会の瞬間に立ち会えていなかったら、「ムジナ」という名曲は存在しなかったかもしれないし、違っていたのかもしれない。頻繁にセットリストに組み込まれる曲じゃないけど大好き。

「ムジナ」の最後の一音をあえて鳴らさないような感じで「The Driving Waltz」を歌い出す。
声が漏れそうになる。今日のライブのハイライトのひとつ。
なんでこんなに切ない気持ちになるんでしょう。


二度目のMC。
ライブハウス、南堀江knaveへの感謝や最近枕を変えたドラムもとひろさんのことについて。
ニ◯リで買った肩甲骨辺りから緩やかな傾斜になってるワイドな枕に変えたそう。使い始めてから、
「身体中が痛い」

ヨウジさんに「どう?」とふる。
彼は胃腸炎やったそうで、
「いろんな菌撒き散らして帰る」

「髭ちゃんは?」
「慢性的な神経痛がありまして」

加齢による衰えを感じるところから、無我夢中で疾風怒濤のように過ぎた頃のことを歌った「Shiro」。わたしはどうやろな、今なのかもしれん。この曲と次の「This Could Be the Last Time」と「蛍」は繋がってるのかも。生きているうちに出来ることはやって、言葉に出して伝えたい言葉は声に出そうと聞くたびに思い出せてくれる。

歌うとき、毎回感極まってちゃんと歌えない。でもぐちゃぐちゃになってもいいかなとヒデさんおっしゃる。歌える人は一緒に歌ってサポートして欲しいとみんな大好きな「蛍」。


しっとりなったところでクライマックスへ。
好きな曲がいっぱい入っている「Jukebox」を鳴らし、がんばって生きていきましょうと結成初期から演奏しているという「青春マギー」で本編を終える。


アンコール。
改めてメンバー紹介をしたあと三日月ジョンのメンバーが再登場する。

去年24周年やって今年25周年企画をやっている自分たちを、閉店セールを繰り返すお店に例えられる。続けることが一番すごいですよね。
周藤さんがヨウジさんのエレキギターを持って、悪魔のいけにえがヒデさんのアコースティックギターを持つ。ヒデさんは手ぶら。
「そんなに悪くない人生だったよ」と言って亡くなられたおばあちゃん、人生最期にそう言えるように生きたいという想いを込めた「It's Not So Bad」を四半世紀共にした仲間と演奏され、第一夜は終幕しました。




-setlist-
01. Grayout
02. Color of Mine
03. Crush
-mc-
04.ムジナ
05. The Driving Waltz
-mc-
06. Shiro
-mc-
07. This Could Be the Last Time
-mc-
08.蛍
09. Jukebox
-mc-
10.青春マギー
en. It's Not So Bad


ご覧いただきありがとうございました。
次回は決まっていないようですが、ゆるく周年を祝っていく予定とのことです。


0 件のコメント:

コメントを投稿